「箱崎のふみちゃん」

 今日は箱崎の方放会。おまいりをして目的地に行く。

 そう。屋台の出店や巫女さんなんぞに用は無い。

 

 目指すは箱崎古本市!!ビブリオマニアの血がさわぐぅぅぅ!!!

 

 つんつん。

 ん?

 振り向くとそこに物の怪が居た。

 姿は巫女さん。体型は長髪で絶滅したはずの大和撫子。胸はCといった感じで一応足はついている。

 え?なんで物の怪と分かったかって?

 そりゃ、たいていの人類には浮遊能力はついていない。

「あ、見えるんだ」

 舐めてもらってはこまる。霊力ならちびっと自信がある。

「ふ〜ん」

 で、何のようだ物の怪?

「失礼な!あたしには…」

 文車妖妃だろ?

……なんでしってるの?」

 TRPGゲーマーを舐めるな。

「さっき…ビブリオマニア…」

 まぁ、深く突っ込むな。もののけ。

「また、もののけといったぁ〜」

 で、話が無ければ立ち去るのだが?

「まった。まったまったぁ!!」

 だから何のようだ?もののけ?

「だから私には葉子という名前があるのよ!」

 ……いま作ったろう?箱崎にの箱をとって?

「ぐさっ!!」

 すたすたすた……(無言で古本市に向かっていこうとする)

「だからまってぇ〜〜〜!!」

 ええい!うっとぉしい!私には物の怪と脳内会話をしている時間も欲求も無いわぁぁ!!

……呪ってやるぅ…不幸にしてやるぅぅ……」

 ほほぅ?どんな風に呪ってくれるんだ?もののけ?

……毎週読みたい新刊本を出して破産させてやるぅ……」

 ……そりはうれし……いや、こまった呪いだな……

「でしょ♪だからあたしの言うことを聞くのだ!」

 まぁ、聞くだけ聞いてやろう。で、何だ?

「実は……かくかくしかじか……」

 ……ぷっ…わっはっはっは……宿主になってた本が分からなくなって迷子になっただぁぁぁ!!!

「笑わないでよぉぉぉ!!!新しい棚は不慣れなのよぉぉぉ…」

 と、いうわけでがんばれもののけ。(すたすたすた…)

「だからまってぇぇぇ!!!哀れなかわいい物の怪を助けると思ってさぁ♪」

 ん?ナニを差し出し…うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!こりはぁぁぁ!!!!

「ふっふっふ。貴方が探しまくっていた塩野七生先生の『わが友マキャヴェリ』の初版よん♪」

 ありがとうもののけ!ほんの三歩ぐらいは感謝するからそういうことで。(本を持ってすたすたすた…)

「だからまてぇぇぇ!!!あたしの本を買ってけぇぇぇ!!!」

 ぬぉ。しがみつくなんて。やるな物の怪。

「お願い。古本だから安いわよ。今なら出血大サービスであたしもついてくる」

 わるいね。今、もののけ間に合ってるの。(すたすたすた…)

「だからまってぇぇぇ!!もう、読まれないで10何年!その辛さは貴方ならわかるでしょぉぉ……(T-T)」

 …あしからず言っていくが、本に金をつぎ込むからご飯も電気も出さないぞ?

「あたしを何だとおもっているのよ?」

 物の怪だろ?

「くっ…」

 わかったからとりあえず、本の名前は?

……(にこっ♪)」

 つまり、忘れたと?

……(にこっ♪)……ああっ!無言で立ち去るのはやめてぇぇ!!」

 一緒に放浪すること二時間。やっと探し当てた本のタイトルは「妖怪と美女の神話学」という本だった。

 納得。

 

 で、物の怪はというと……

「ねぇ?このテレビどうやって見るの〜〜?」

 

 今、後ろにいるんです……はぁ……

 

 ちなみにこいつの名前は脳内会議により「箱崎文」(はこざきふみ)と命名。

 

 

 と、いうわけで突発的に作られたオリジナル小説。

 元々私の持論で次に来るエロゲーは「地方密着型エロゲー」では無かろうかと思っていたりして……