「雑餉隈のミコトちゃん」
同じ街にそれぞれ違う会社の鉄道の駅が二つ、しかも歩いていける距離にあるとしよう。
その街に行くのにどっちの鉄道を使ってもいいと仮定した時どっちの駅の名前を呼びますか?
その名前で呼ばれるほうが、その街を表しているんですから。
「すいません。雑餉隈まで一枚」
「はい。南福岡駅まで一枚ですね♪」
目が笑っていなかったぞ。某駅員……。
この「雑餉隈」という名前、地元民で無いとまず読めない。私も来た当時読めなかった。
だが、地元民以外でもこの文字が読める人たちがいる。風俗関係者だ。
雑餉隈---ざっしょのくま---。
この街は福岡、中州に隠れる形になった風俗の名所でもある。
「おっにぃ〜さん♪あっそびましょ〜〜♪」
出たな物の怪。出方が箱崎の文車と同じなのはきっと書き手のせいだろう(爆)。
スタイルはバブル期に滅亡したジュリアナ系ってやつだろう。屈むと見えそうだ。あれが。
当然スタイルは「ぼっ、きゅ、ぼーん」で綺麗な黒髪を振り乱して踊り狂う様は多くの男を興奮させたんだろう。
ピンクで統一された衣装とセンスがまた色っぽい。
「あら?誉めてくれるの?ありがと♪」
では、そういうことで…すたすたすた…
「ちょっと、私が誰だか知ってるの?」
天宇受売命(あめのうずめのみこと)だろ?
「……なんで知ってるの?」
某悪魔合体ゲーマーを舐めるな。
「なにそれ?」
君の知っている世界からはるか遠くにある世界のことさ。
じゃあ、そういうことで…
「だから待ちなさいよぉ!遊んでいきましょうよぉ!!」
ええい!なんで物の怪と交わらんといかんのじゃぁぁ!!
「何で人間と交わるのよぉぉぉ!!!たまには妖怪と交わりなさいよぉ!!」
そのスタイルと妖力で男なんて食い放題だろ?
「見える男が減ったのよぉぉ!!科学万能主義のばかやろぉぉぉ!!!!!」
いい感じの負け犬の遠吠えをかます彼女。当然まわりの人間には見えても無ければ聞こえても居ない。
さてと、いいものが見れたということで。たしかこのあたりに優良店が…
「まてい。そこの風采あがらない男」
はて、そんな男は見えんが?
「おまえだぁぁぁ!!!おまえ!!
一緒に遊べ!(えっへん)」
やだ(即答)すたすたすた……
「だぁぁぁ!!なんで人間の女と遊ぶかぁぁ!!
お金取られてびょーきうつされるのよ!!」
ほほう。では聞くがと手を彼女の方に突き刺す。当然突き抜ける。
これで遊べと?
「ガーー(; °Д°)ーーン」
あ、固まった。ほっとこ。
あ、このお店か…(すたすたすた)
ああ、いい感じのお店だった(何が)
ほくほく顔でアパートのドアを開ける。インターネットにはまった物の怪が声をかける。
「おかえりなさい。お客さんですか?」
え?……おそるおそる振り向くと。
「私たちの一族は無視されるのが一番腹が立つのよぉ!
見てなさい!実体化できるまでに霊力を高めて貴方と交わるまで取り付いてやるからよろしくね♪」
と、のたまってくれました。
彼女の名前も脳内会議にて「雑餉隈美琴」(ザッショノクマミコト)と命名。
はて、私は何か悪いことをしたか?
地域密着型エロゲー企画第二段。
タイトルは「神様おねがい☆」とでもつけておく。
主人公はライターとして、その地方に根付いた土地神様(妖怪)を紹介してその地域を活性化させる事を目的とするシュミュレーション形式。
あと三人+ライバルなんかも作らないといけない。
さて、どこかオモシロそうな街はないかなぁ?