福岡三姉妹物語(博多編)
「この街はね……偽りの顔を持っているのよ」
とは、最新秋物カジュアルを着こなしている文車の箱崎文の言葉。考えてみれば街の古さで言えば一番年長なだけに言葉に重みがあるのだろう。この面子の中では。
ごん!
「年の話なんてすると女の子に嫌われますよ」
それはともかくとして、国語辞典を縦にして叩くのはやめて…頭がまわる〜〜〜というか何処から出した?それ?
「なにやっているんだか…たたでさえ頭が悪いんだからこれ以上悪くしてどうするのよ」
と、さらりと暴言を吐くのは雑餉隈美琴。この寒風に悩殺ボディコンなアメノウズメなねーちゃんだが、雑餉隈だって元は陸軍さんの…
「なにかいったかしら?」
いえいえ。何も言っていませんよ〜〜(汗)。
だから、ヒールで線路に突き落とそうとするのはやめてね〜〜(汗)。
「よろしい」
「まったく、文ちゃんも美琴ちゃんも大人げないんだから〜〜」
と、墓穴を掘ったのは、本当に若い百地桃華。その正体は思念体。ボーイッシュがよく似合う女の子。
「文。桃華も蹴り倒していい?」
「いいわよ♪」
「いや〜〜〜!!!」
だから桃華はともかく俺を線路に落とすな〜〜〜!!お前らと違って死ぬんじゃ〜〜〜!!
この化け物三人組、元々は廃れた、もしくは新しくできた街ゆえに霊力も衰えてふらふらと私の所に居候してきた次第。
取り付いた結果か、仲間が嬉しいのか霊力も回復し実体化もできるまでになった。つまりHおっけい。
……ただ単にネタが無かったという事は秘密の方向で。
それに化け物とはいえ美女なのだ。
ハーレムは漢の浪漫!!
というわけで、それなりに幸せだったりする。
なお、Hシーンは誰かがHCGを書くたびに作ってゆく予定。
閑話休題。
今回、仕事の関係で久しぶりに福岡市に出てきた私なのだが当然、こいつらもついてゆくと。
ついでだから福岡の主を紹介してくれると。
「ちなみに主なんていったらだめですよ。何よりも私達と違って力がありますから」
……まじか?文。
「だから福岡の主なんですよ」
……お前だってわざと使ったろ。「主」を。今……
「……(にっこり)」
福岡市。少なくとも行政上ではこの街はそう呼ばれているがその実態は三つに分かれている。
都市付喪の中ではトップクラスの古さを誇っている長女。博多。
九州の商都の地位を博多から奪い、今も力をつけ続ける変化の次女。天神。
日本有数の繁華街として君臨している夜の都の三女。中州。
福岡の土地神はこの三人を三姉妹と呼んでいるそうな。たしかに兄弟みたいなものだろう。
この三者がいなかったらこの街の発展はなかったのだから。
「やほ〜」
「ああ。箱崎か。おひさ。
で、この男が今とりついているやつ?」
なんというか……説明しずらい美女が博多駅で出迎えてくれた。
キツ目の才女。第一印象がそれ。
何よりもトップモデル並みのボディがまたすごい。
長い髪。白い肌。赤い唇。出ているオーラも神々しい。
今はスーツ姿で眼鏡なんかかけているから有能OLと言った感じか。
「それは当然。私、古代から今までの文化を吸収し続けたんだからね♪」
なるほど。古代から現在までか。
話をしているのは博多駅の有名喫茶店。当然全員姿を見せての取材といったことか。
「名前ねぇ…博多だからね…ながれとでもつけておきましょうか」
あ、山笠つながりか。(ぽん)
「合格。少しは博多のを知っているじゃない」
会話をしながらもこの街は人の靴の音が止まらない。
都会。人の世界の象徴する靴の音。それもながれにとっては居心地の良い音楽なのだろう。
「この博多駅は日本有数のターミナルなのよ。
新幹線の終点と福岡空港とのアクセスの良さから九州全土から列車が集まる。
出会いと別れの街。それが私の力。古くは船だったのよ」
その言葉の節々に悠久の時を生きてきた余裕さえ見せていた。
「…そろそろ時間だよ〜」
ああ。こんな時間か。今日はありがとうございました。
「いえいえ〜。
箱崎〜取りのがすなよ〜^^」
「……(にっこり)」
え?
地域密着型18禁エロゲー企画サブキャラ編。第一弾。博多ながれでした。
話が膨らむんで、さわりだけ作って公開。全部書いたらメインに化けるな。こいつ(笑)。
箱崎-博多、百地-天神、雑餉隈-中州つながりは最初からの企画。
ちなみに、この他にも北九州五姉妹+2とかを予定。
無駄に広がるこのお話、全貌なんか見えてないが、いいか。