福岡三姉妹物語(中州編)
夜の中洲ほど輝いて見えている街は無いと思うだろう。
だが、この街には門限がる。大体一時か二時ぐらいで急速に夜の眠りに着く。
「で、飲み足りない・遊び足りない人は三次会・四次会と称して私のところに遊びに来るのよ」
とは、雑餉隈美琴の言。
元が、天宇受売命(あめのうずめのみこと)なだけあって色事には強い。
「しかし明かりが寂しくなったわねぇ」
忘年会の帰り、ふらふらとキャナルシティを歩いていたらぽつりと美琴が呟く。
そうだろうか?十二分に華やかなような気がしたが?
「バブルのころはもっと華やかだったんだから。おひさ。雑餉隈^^」
「おひさ。というわけでこの人が中州よ」
「中州のぞみです。よろしくお願いしますね^^」
今までの土地神が日本人だとしたら、中州は間違いなくコスモポリタンだろう。
多分日本人の姿がうっすらと見える黒髪と小さくて愛らしい顔。
歓楽街ゆえに、そのスタイルは派手一色で毛皮コートの中に隠れたスタイルは美琴以上。ここまでくると外人だろう。そのスタイルは。
で、ブランドと光物で固められた姿はまさにお水の花道。この不況下にもかかわらす。
「好況でも不況でも金持ちはいるんです。イイ女を金持ちは絶対に見逃しませんからね。
だって、お金を稼げるぐらい『いい男』なんですから^^」
けだし名言の言うあたりさすがイイ女。これが美琴との差か。
「あ〜〜っ!!なんか<遠回りに美琴の事バカにしてるぅぅぅ!!!」
ストレートに馬鹿にしてるんだ。気づけよ。
中州は実は広くはない。そもそも中州の地名も川の中州に作られたからというストレート極まりない理由なのだから。
九州の玄関博多と商都天神に挟まれた中州が色町として急速に発展し福岡三姉妹の地位を確立するきっかけとなった。
「ちなみに、中州の正体はサキュバスなんですよ^^」
サキュバスって…ナニゆえに外来種……
「私たちの位置付けは人がするんですって。急速に拡大していく外来文化の中で神や妖怪も姿を変えないと生きていけないんですよ^^」
人も大変だけど、妖怪も大変なものだと思わず思ってしまう。
「おーい。そろそろ行かないと西鉄終電がでるわよ〜」
あ、そうか。また機会がありましたら。
「ええ。歓迎しますわ^^
中州のぞみはそのためにいるのですから^^」
彼女は最後まで営業スマイルを崩さなかった。なるほど。こりゃプロだわ。
「「で、何か言いたい事は?」」
帰ってきた私と美事に文と桃華が延々と説教をしたのはいうまでもない(T-T)
地域密着型エロゲー企画中州編。
一日でひねりを入れて作るのがこんなに難しいかと実感。
お酒も回ってきたし……寝よ。