カラン……
小さなカウベルが、扉を開けた君を控えめに歓迎した。
そこはどこにでもありそうな、板張りの酒場だった。
どこにでもありそうな椅子とテーブル。
どこにでもありそうなカウンター。
昼下がりという時間のせいか、
あるいは採光を兼ねて開け放たれた多くの窓のせいか、
酒や料理、タバコなどの混ざった雑多な匂いも今は薄い。
そんなありきたりな酒場の風景と少し異なるものが、
客席のちょうど真ん中にあった。
大きな、鉄製の、ふたのない鍋。
人ひとり煮れそうな、というといささか物騒だが、そのくらい大きさの鍋だ。
煉瓦でできた台座の上に載せられたそれは、
火の気もないのにかすかに湯気を上げている。
鍋のそばには椅子があり、腰掛けた給仕らしき女性が芋の皮をむいている。
「あ、いらっしゃいませ。『魔法の鉄鍋』亭へ、ようこそ♪」
カウンターに腰掛けると、すぐ目に付くところに張り紙がしてあるのに気づいた。
君はその女性に軽い飲み物を注文しながら、何気なくそれに目を走らせる。
第48回『魔法の鉄鍋』亭TRPGコンベンションのお知らせ
日時:2012年3月18日(日) 9時30分〜17時(9時開場)
場所:愛媛県松山市民会館 3階 第5会議室
……飲み物ができるまで、君はそれを読んでみる事にした。